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キャリアコンサルタント実技試験とは?論述・面接試験の内容や難易度まとめ

キャリアコンサルタント実技試験とは?論述・面接試験の内容や難易度まとめ

更新日: 2025/11/07

はじめに

「キャリアコンサルタント」の国家試験には、実技試験(論述および面接)が含まれています。どんな内容か気になる方に向けて、試験内容や難易度などをまとめました。実施団体ごとの違いについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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キャリアコンサルタント試験とは?

どんな試験?

キャリアコンサルタントとは、キャリアコンサルティングを行う専門家であり、国家資格の取得者だけが名乗ることができます。

キャリアコンサルタントの資格を取得する主な流れは以下の通りです。

1.国家試験(学科試験・実技試験)に合格する。
2.指定登録機関に登録する。
3.5年ごとに更新手続きを行う。

キャリアコンサルタント試験の概要をまとめました。

試験の概要・受験料

キャリアコンサルタント試験の実施機関は、以下の2つです。

  • 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
  • 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会

どちらの団体で受験しても、学科試験と実技試験(論述および面接)の両方に合格しなければいけません。尚、学科試験の内容は両機関共通ですが、実技試験は内容や合格基準が異なります。

受験料は以下の通りです。(両機関共通)
学科試験:8,900円
実技試験:29,900円

受験資格

受験資格は次の通りです。

  • 厚生労働大臣認定の養成講習を修了した方。
  • 労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力開発および向上のいずれかに関する実務経験が3年以上ある方。
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した方。

いつ開催している?

今後開催される実施日程は以下の通りです。どちらの団体も年に3回(3月、7月、11月)実施されています。

キャリアコンサルティング協議会

実施回 試験区分 試験日
第30回 学科試験・
実技試験(論述)
2025年11月2日(日)
第30回 実技試験(面接) 2025年11月8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)、22日(土)、23日(日)
第31回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年3月1日(日)
第31回 実技試験(面接) 2026年3月7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、15日(日)、20日(金)、21日(土)、22日(日)
第32回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年7月5日(日)
第32回 実技試験(面接) 2026年7月10日(金)、11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日)、20日(月)
第33回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年11月1日(日)
第33回 実技試験(面接) 2026年11月7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
第34回 学科試験・
実技試験(論述)
2027年3月7日(日)
第34回 実技試験(面接) 2027年3月12日(金)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、22日(月)、27日(土)、28日(日)

日本キャリア開発協会

実施回 試験区分 試験日
第30回 学科試験・
実技試験(論述)
2025年11月2日(日)
第30回 実技試験(面接) 2025年11月8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)
第31回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年3月1日(日)
第31回 実技試験(面接) 2026年3月7日(土)、8日(日)、14日(土) 、15日(日)
第32回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年7月5日(日)
第32回 実技試験(面接) 2026年7月11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日)
第33回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年11月1日(日)
第33回 実技試験(面接) 2026年11月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)
第34回 学科試験・
実技試験(論述)
2027年3月7日(日)
第34回 実技試験(面接) 2027年3月13日(土)、14日(日)、20日(土) 、21日(日)

実技試験の内容は?

試験の形式

実技試験は論述試験と面接試験の2種類あります。主な形式は同じものの、合格基準は実施団体によって異なります。

論述 出題形式 記述式解答
論述 試験時間 50分
面接 出題形式 ロールプレイと口頭試問
面接 試験時間 20分
(ロールプレイ15分/口頭試問5分)
合格基準 キャリアコンサルティング協議会 ●150点満点のうち90点以上の得点
●論述試験の満点の40%以上の得点
●面接試験の評価区分「態度」「展開」「自己評価」のいずれにおいても満点の40%以上の得点
合格基準 日本キャリア開発協会 ●150点満点のうち90点以上の得点
●論述試験の満点の40%以上の得点
●面接試験の評価区分「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点

出題範囲

実技試験では、キャリアコンサルティングを行うための技能を検査します。具体的には次のような技能です。

  • カウンセリング
  • グループアプローチ
  • キャリアシートの作成指導・活用
  • 相談過程全体の進行の管理
  • 相談過程において必要な技能

実技試験の難易度は?

実技試験の内容は機関によって異なるため、過去2回分の各機関の合格率をご紹介します。

キャリアコンサルティング協議会

受験者数
(人)
合格者数
(人)
合格率
(%)
実技試験
平均点(点)
*150点満点
論述試験
(点)
*50点満点
面接試験
(点)
*100点満点
第28回(2025年3月) 4,705 3,163 67.2 91.8 33.1 60.1
第29回(2025年7月) 3,780 2,427 64.2 91.8 32.5 60.2

日本キャリア開発協会

受験者数
(人)
合格者数
(人)
合格率
(%)
実技試験
平均点(点)
*150点満点
論述試験
(点)
*50点満点
面接試験
(点)
*100点満点
第28回(2025年3月) 1,264 877 69.4 93.6 33.8 61.2
第29回(2025年7月) 1,042 672 64.5 92.3 32.4 61.1

過去2回の試験結果を見比べると、各平均点は大きく変わらないため、実施機関による難易度はほとんど変わらないと考えられます。

両機関とも、実技試験の合格率は60パーセント台で推移しています。そして論述試験、面接試験ともに平均点が6割を超えているため、試験対策をしっかりと行えば合格圏内に入ることは可能です。

ただし、実技試験では下記基準を全て満たす必要があります。

  • 150点満点のうち90点以上の得点
  • 論述試験の満点の40パーセント以上の得点
  • 面接試験の各評価区分で満点の40パーセント以上の得点

特に、面接試験の評価区分は実施機関によって異なるため、どのような観点で評価されるのか事前に確認し、対策することが必要です。

論述試験の内容は?

どんな問題が出題される?

両機関ともに、キャリアカウンセリングの事例に関する資料を読み、設問に答えるスタイルです。ただし、資料の提示の仕方が異なります。それぞれの特徴をまとめました。

キャリアコンサルティング協議会

コンサルティングの内容がまとめられた事例記録が提示されます。相談者の情報や相談内容、キャリアコンサルタントからの発言などがまとめられており、それらの情報を元に設問に答えます。

日本キャリア開発協会

キャリアコンサルタントと相談者による会話が書き起こされた逐語記録が提示されます。相談者情報と相談内容の前半部分が提示された後に、2パターンの後半部分が続く構成です。会話形式の資料をもとに設問に答えます。

どちらの試験も自由記述で解答するスタイルです。設問の内容を理解し、資料から情報をまとめたり自分の考えを表現したりする力が求められます。

面接試験の内容は?

面接の流れは?

面接ではロールプレイと口頭試問が行われます。

ロールプレイでは、受験者がキャリアコンサルタント役として相談役に対してキャリアコンサルティングを行います。

実際の相談の場面を想定して、面談開始から最初の15分という設定で受け答えします。相談者役から話を聞いて状況・問題点を把握したり、相談者役の成長を促すようなコミュニケーションを図ったりします。

ロールプレイの後は、試験管からの口頭試問です。ロールプレイで行ったキャリアコンサルティングについて振り返りなどが行われます。

どんな問題が出題される?

ロールプレイ

相談者役の年齢や性別、現在の職業や経歴といった設定はさまざまです。相談内容も「仕事のやりがいを失っている」「現在の仕事を続けるか、独立するか迷っている」「育児のために転職をするか迷っている」など多種多様です。

ロールプレイでは、キャリアコンサルタントとして相談者を尊重する態度や姿勢が評価されます。

例えば、次のようなことがチェックされています。

  • 身だしなみ
  • 相談者との関係を築けるか
  • 相談者の話から問題を捉えられるか
  • 面談の中で相談者が内省し、成長するような応答ができるか

口頭試問

口頭試問では、ロールプレイの振り返りが行われます。以下のような質問が問われる傾向です。

  • ロールプレイの面談の中でできたこと/できなかったこと
  • キャリアコンサルタントから見た相談者の問題点
  • ロールプレイのその後の展開
  • キャリアコンサルタントの資格を取得したら何をしたいか

ただし、口頭試問はフリー形式なので、上記内容以外のイレギュラーな質問を投げかけられることもあります。

学習方法は?

養成講習で学ぶ

養成講習を受講するルートは、キャリアコンサルタント試験を受験する際の一般的なルートです。受験資格を満たせる上に、キャリアコンサルタントに必要な知識・スキルを基礎から学ぶことができます。

特に、スクーリング形式で学習できる養成機関では、ディスカッションやロールプレイなどのワークに取り組めるため、面接試験に必要なスキルを学ぶことができます。グループワークでは、他の受講生の考えを聞いて、新しい気づきや自分自身のクセを見つけることができます。

キャリアコンサルタントをする上で、質問スキルや観察技法、励ます方法、言いかえ表現、相談内容の要約といったコミュニケーションスキルが求められます。実際にロールプレイの経験を重ねることで、試験対策や働く際に必要な力を養うことができます。

独学で学ぶ

受験資格の条件を満たせば、養成機関に通わなくても独学で試験に臨むことが可能です。もちろん、自信を持って当日の試験に臨めるように事前の準備は必要です。すでに実務経験がある方でも、実技試験向けの参考書などで試験の流れやポイントを押さえることをおすすめします。

試験で行うロールプレイは、実務とは空気感が異なるため、雰囲気に慣れておくためにも一度は練習会などに参加しておくと安心です。練習時間が取りにくい方は「Zoom」などを用いたオンラインレッスンなどがあるため、ぜひ参考にしてみてください。

養成機関の試験対策講座

養成機関の中には、国家試験の対策講座を開講しているところもあります。「論述試験の添削をしてほしい」「ロールプレイの練習をしたい」「プロのフィードバックを受けたい」という方にぜひおすすめです。

養成機関の講座なら、プロの講師による添削や指導を受けられるため、自分の改善点をしっかりと振り返ることができます。

特に面接試験は、慣れていないと緊張したり上手にコミュニケーションが取れなかったりして、力を発揮できない方もいると思います。ある程度回数をこなし、自信を持って試験に臨めるように準備しましょう。

まとめ

実技試験の合格率は60パーセント台であるため、しっかりと試験対策を行えば合格を目指すことは可能です。

1人では対策しにくい論述やロールプレイについては、対策講座の活用がおすすめです。一度、第三者からフィードバックをもらうことで自分では分からない課題にも気づけると思います。ぜひ参考にしてみてください。

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