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キャリアコンサルタント学科試験とは?難易度や学習方法まとめ

キャリアコンサルタント学科試験とは?難易度や学習方法まとめ

更新日: 2025/10/23

はじめに

「キャリアコンサルタント」の資格を得るには、国家試験に合格する必要があります。試験では、学科試験と実技試験(論述および面接)が実施されますが、どんな内容なのか気になる方も多いと思います。

今回は、学科試験について試験内容や難易度などをまとめました。これから受験をする方や試験に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

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キャリアコンサルタント試験とは?

どんな試験?

キャリアコンサルタントとは、国家資格を取得している方だけが名乗れるキャリアコンサルティングを行う専門家です。

名称独占資格であるキャリアコンサルタントを取得するには、キャリアコンサルタント試験に合格した後、指定登録機関に登録し、5年ごとに更新手続きを行う必要があります。

キャリアコンサルタント試験の概要をまとめました。

試験の概要・受験料

キャリアコンサルタント試験は、以下の登録試験機関で実施されています。

  • 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
  • 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会

上記のどちらの団体で受験しても、学科試験と実技試験(論述および面接)の両方に合格する必要があります。

尚、学科試験と実技試験は個別の受験が可能です。既に片方の試験に合格している場合は、合格している試験が免除になります。

学科試験の内容は両機関共通で、同じ日に実施されます。一方で、実技試験は団体ごとに特色があり、合格基準も異なります。

受験料はそれぞれ以下の通りです。(両機関共通)
学科試験:8,900円
実技試験:29,900円

受験資格

キャリアコンサルタント試験を受けるための要件は次の通りです。

  • 厚生労働大臣認定の養成講習を修了した方。
  • 労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力開発および向上のいずれかに関する実務経験が3年以上ある方。
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した方。

上記内容のいずれかに該当している方は、試験を受けることができます。

キャリアコンサルティング能力のレベル

典型的なケースをキャリアコンサルティングできるレベルが求められます。受験資格に実務経験が必須ではないため、キャリアコンサルティングとしては入口のレベルに当たります。

いつ開催している?

これから開催される各団体の実施日程は以下の通りです。どちらも年に3回(3月、7月、11月)行われています。

キャリアコンサルティング協議会

実施回 試験区分 試験日
第30回 学科試験・
実技試験(論述)
2025年11月2日(日)
第30回 実技試験(面接) 2025年11月8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)、22日(土)、23日(日)
第31回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年3月1日(日)
第31回 実技試験(面接) 2026年3月7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、15日(日)、20日(金)、21日(土)、22日(日)
第32回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年7月5日(日)
第32回 実技試験(面接) 2026年7月10日(金)、11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日)、20日(月)
第33回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年11月1日(日)
第33回 実技試験(面接) 2026年11月7日(土)、8日(日)、13日(金)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
第34回 学科試験・
実技試験(論述)
2027年3月7日(日)
第34回 実技試験(面接) 2027年3月12日(金)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、22日(月)、27日(土)、28日(日)

日本キャリア開発協会

実施回 試験区分 試験日
第30回 学科試験・
実技試験(論述)
2025年11月2日(日)
第30回 実技試験(面接) 2025年11月8日(土)、9日(日)、15日(土)、16日(日)
第31回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年3月1日(日)
第31回 実技試験(面接) 2026年3月7日(土)、8日(日)、14日(土) 、15日(日)
第32回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年7月5日(日)
第32回 実技試験(面接) 2026年7月11日(土)、12日(日)、18日(土)、19日(日)
第33回 学科試験・
実技試験(論述)
2026年11月1日(日)
第33回 実技試験(面接) 2026年11月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)
第34回 学科試験・
実技試験(論述)
2027年3月7日(日)
第34回 実技試験(面接) 2027年3月13日(土)、14日(日)、20日(土) 、21日(日)

学科試験の内容は?

試験の形式

試験の実施団体は2機関ですが、学科試験は同一問題で実施されます。

出題形式 マークシート形式(四肢択一)
問題数 50問(2点×50問)
試験時間 100分
合格基準 100点満点のうち、70点以上の得点で合格

出題範囲

学科試験の主な出題範囲は次の通りです。

  • キャリアコンサルティングの社会的意義
  • キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
  • キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
  • キャリアコンサルタントの倫理と行動

過去問の内容

学科試験の過去問は、各実施団体のホームページにて無料で閲覧できます。受験を考えている方は、実際に過去問に取り組んでみましょう。

2025年度第29回キャリアコンサルタント試験を例に、どんな問題が出題されたか簡単にご紹介します。

・四肢択一

マークシート形式の試験なので、記述問題はありません。問題文を読んで答える四肢択一の出題です。資料や会話文などを読んでから答えるような問題はなく、問題形式自体はシンプルな形です。

・正誤判断

選択肢に書かれた記述の中から、適切なものや不適切なもの、誤っているものを選ぶ問題が多く出題されています。問題文で問われている内容を正しく理解し、用語や理論をきちんと押さえておくことが大切です。

・穴埋め問題

出題数は少ないですが、文章中の(  )に入る記述として最も適切なものを選ぶ問題が出題されています。第29回国家試験では、キャリアに関する理論の穴埋め問題が出題されました。

・時事問題

第29回国家試験では、官公庁などが実施した調査に関する問題が出題されました。時事問題は過去問ではカバーしきれないため、普段からアンテナを張っておくことが大切です。資格取得後に実務に就いてからも時事的トピックスには関心を持っておくと仕事の質をアップさせることができます。

学科試験の難易度は?

過去5回分の学科試験の結果をご紹介します。尚、数値は2機関の実施結果の合計です。

受験者数
(人)
合格者数
(人)
合格率
(%)
平均点(点)
*100点満点
第25回(2024年3月) 5,698 3,627 63.7 71.9
第26回(2024年7月) 5,002 3,274 65.5 72.3
第27回(2024年11月) 5,516 3,295 59.7 70.7
第28回(2025年3月) 6,298 4,310 68.4 73.1
第29回(2025年7月) 4,944 3,594 72.7 74.6

学科試験の合格率は、60パーセントから70パーセント前後で推移しています。100点満点中70点以上の得点が合格ラインですが、過去5回の平均点はいずれも70点を超えています。

これらの状況を見ると、学科試験に関しては試験対策をしっかりと準備すれば合格を目指しやすいと考えられます。

学習方法は?

養成講習で学ぶ

キャリアコンサルタント試験を受験する際の一般的なルートとして、養成講習の受講が挙げられます。養成講習を受講する場合、受験資格を満たせるだけでなく、必要な知識やスキルを基礎からしっかり学習できます。

講習内で国家試験の対策を講じてくれるスクールもあるため、初めて学ぶ方でも現役合格が目指しやすいです。講師陣は国家資格保有者や現場経験者が多いため、プロの視点で試験対策や実践スキルを学べるのが魅力です。

スクールに通うとなると、仕事や学業、育児などとの両立が大変だと感じる方もいると思います。通学コースの他にオンラインコースを設けている養成機関もあるため、自分が通いやすいスクールを探しましょう。

独学で学ぶ

キャリアコンサルタント試験の受験資格である「3年以上の実務経験」や「技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験の合格」を満たせば、養成機関に通わなくても試験に臨むことができます。とはいえ、既にキャリアコンサルタントに関する知識や技術を持っている方も国家試験の準備は必要です。

独学で受験する場合は、教材を自分で集める必要があります。出題範囲をしっかりインプットするとともに、過去問や練習問題などで出題形式に慣れておきましょう。

書店などで販売されている書籍のほか、受験対策向けのポータルサイトなどで演習や情報収集に取り組むのもおすすめです。

養成機関の試験対策講座

養成講習とは別に、国家試験対策に特化した講座を開講しているスクールもあります。養成講習の受講者も、独学での受験者も、試験に不安がある方におすすめです。プロによる過去問分析や解説を聞くことで、理解度を深めて要点を効率よく学習できます。

学科試験、論述試験、面接試験と、試験ごとに講座を開講しているところもあります。試験までの限られた時間を有効に使いたい方は、自分の苦手分野や課題に合わせて必要な講座を受講しましょう。

対策講座の中には、養成講習の修了生向けに割引を行っているものもあれば、通学やオンライン受講を選択できるものもあります。

まとめ

キャリアコンサルタント試験の学科試験は、合格率が60パーセントから70パーセント前後と、比較的合格が目指しやすい試験です。

合格ラインは100点満点中70点以上の得点、つまり50問中35問の正解で合格となります。焦らず着実に正解できるように、苦手な分野は繰り返し復習して基礎知識をしっかりと身につけましょう。試験に不安な方は、ぜひ、養成講習や試験対策講座を活用してみてください。

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