キャリアコンサルタントは副業にできる?働き方・収入・始め方を徹底解説

キャリアコンサルタントは副業にできる?働き方・収入・始め方を徹底解説

更新日: 2025/12/23

はじめに

近年、副業・複業が社会的に広がる中で、国家資格であるキャリアコンサルタントを活かした副業が注目を集めています。

しかし、「キャリアコンサルタントは副業として本当に成り立つのか」「資格を取っても活かせなかったら意味がないのではないか」と、不安を感じている方もいるのではないでしょうか?

本記事では、キャリアコンサルタントを副業にする際の収入や仕事内容、始め方やメリット・デメリットなどを解説します。

キャリアコンサルタントの副業に興味はあるけれど「何から始めたらいいかわからない」という方はぜひ参考にしてください。

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キャリアコンサルタントは副業にできる!

キャリアコンサルタントは、副業として十分に成立する専門職です。副業市場では、資格や専門性がある仕事ほど信頼を得やすく、未経験からでも案件に挑戦しやすい傾向があります。

キャリアコンサルタントの資格は国家資格であるので「一定の専門知識と倫理観を備えていること」が客観的に証明され、強みとなるのです。

また、資格取得の際に受講するキャリアコンサルタント養成講座ではキャリア理論だけでなく、相談者の話を深く聴くための傾聴スキルや質問技法、守秘義務や倫理といった実務に直結する内容を体系的に学びます。そのため、人事経験やカウンセリング経験がない方でも、一定の水準で実務に取り組める土台が整っているといえるでしょう。

さらに近年は、ひとつの企業に依存しないキャリア形成が重要視されています。専門的な知見を持って相談者の人生に寄り添うキャリア支援の需要は今後も高まると考えられています。キャリアコンサルタントの将来性については、「キャリアコンサルタントの将来性は高い!?需要が増えている理由を一挙解説!」でも詳しく解説されていますので、ぜひ参考にしてください。

キャリアコンサルタントの副業収入はどれくらい?

副業を検討するうえで、もっとも気になるのが収入面でしょう。

キャリアコンサルタントの副業収入は、活動内容や稼働時間、経験値によって大きく異なります。

キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査によれば、キャリアコンサルタントの年収は全体で200万円未満から800万円以上まで幅広く、活動内容によって位置づけが変わります。副業では短期的な高収入を狙うよりも、経験と信頼を積み上げていく姿勢が収入アップに繋がるでしょう。

副業を始めたばかりの初期段階では、月数万円程度からスタートするケースが一般的です。報酬形態には、時給制、1回の面談ごとの単価制、プロジェクト単位の案件制などがあります。

面談件数が限られているうちは大きな収入にはなりませんが、継続的に活動することで徐々に収入を伸ばしていくことが可能です。

キャリアコンサルタントの年収については「キャリアコンサルタントの年収は?」でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

キャリアコンサルタントの副業でできる仕事内容

キャリアコンサルタントの副業には、個人向け、企業・団体向け、大学・教育機関向けなど、さまざまな仕事内容があります。自分の経験や得意分野、ライフスタイルに合わせて選択すると良いでしょう。

個人向けキャリア相談・面談業務

個人向けキャリア相談は、副業として始めやすい仕事内容のひとつです。転職に関する悩み、今後のキャリア設計、働き方の見直しなどをテーマに、1対1の面談形式で支援します。

個人向けキャリア相談は、オンライン面談も可能で、在宅で対応できる点も副業に適しているポイントです。

資格取得直後でも、身近な知人やマッチングサイトを通じて経験を積みやすく、コンサルタントとしての基礎的な力が身についてくるおすすめです。

企業・団体向けキャリア支援業務

企業・団体向けのキャリア支援では、従業員へのキャリア面談やキャリア研修、定着支援などを行います。人事部門と連携しながら進めるケースが多く、個人支援だけでなく組織課題の解決にも関わる点が特徴です。

企業・団体向けのキャリア支援では、一定の社会人経験や実務経験が求められることが多く、副業初心者よりも経験を積んだキャリアコンサルタント向けの案件が中心となります。

大学・教育機関での就職支援業務

大学のキャリアセンターや専門学校、高校などの教育機関も、キャリアコンサルタントの主要な活躍の場です。主な業務は、学生の就職活動支援です。エントリーシートの添削、模擬面接、進路相談など、将来を担う若者のサポートを行います。

就職活動のピーク時期には業務が集中するため、特定期間だけ副業として関わることも可能です。教育分野に関心のある方にとっては、やりがいの仕事となるでしょう。

キャリアコンサルタントで副業を始めるには

キャリアコンサルタントとして副業を始めるには、資格取得から実務経験の積み重ねまで、段階的に進めることが大切です。

1.キャリアコンサルタント試験に合格

副業を始めるための前提条件は、国家資格の取得に必要なキャリアコンサルタント試験に合格することです。キャリアコンサルタントは名称独占資格であり、資格を持たない人がキャリアコンサルタントを名乗ることは法律で禁じられています。

試験合格への道筋として、まずは厚生労働大臣が認定する「キャリアコンサルタント養成講座」を受講するのが一般的です。キャリアコンサルタント養成講座では、キャリア理論、労働市場の知識、面談のロールプレイなど、実務を見据えた内容を学びます。

キャリアコンサルタント養成講座を修了することで受験資格が得られ、学科試験と実技試験(論述・面接)の両方に合格することで、プロとしての信頼性の基盤が築かれます。

2.合格後キャリアコンサルタント名簿に登録

試験合格後は、職業能力開発促進法に基づき、キャリアコンサルタント名簿への登録が必要です。登録は特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会の登録センターで行います。

【登録費用】

  • 登録手数料:8,000円
  • 登録免許税:9,000円 

登録を行うことで、正式にキャリアコンサルタントとして活動できます。

また、5年ごとの更新制度があり、知識講習・技能講習の受講が義務付けられています。継続的な学びが専門職としての信頼を支えてくれるでしょう。

3.小さな案件から実務経験を積む

資格登録が完了したら、いよいよ実務のスタートです。いきなり高額な案件や企業研修を狙うのではなく、まずは小さな案件から確実に経験を積むことをおすすめします。

たとえば、クラウドソーシングサイトで単発のキャリア相談を受けたり、知人に対して無料でモニター面談を行ったり、あるいは就職支援イベントの運営補助などに携わったりすることから始めましょう。

キャリアコンサルタントとしてのスキルは、座学だけでは身につきません。実際の相談者の悩みに対峙し、対話を重ねる中でしか磨かれないスキルがあります。地道な積み重ねが、仕事の拡大へとつながっていきます。

キャリアコンサルタントで副業をする際の注意点

副業としてキャリアコンサルタント活動を行う際には、いくつか注意すべき点があります。

本職勤務先の副業ルールを必ず確認する

副業を始めるにあたって、本職勤務先の就業規則の確認をしましょう

近年は副業容認が進んでいますが、「事前申請が必要」「許可制」「同業他社での勤務禁止」といったルールが設けられている会社もあります。特に、キャリアコンサルタントとしての活動が「競業避止義務(会社と競合する仕事をしない義務)」に抵触する場合もあるので注意が必要です。

無断で副業を行い、後から発覚して懲戒処分などのトラブルに発展しては、せっかくのキャリアアップが台無しになってしまいます。副業をする際は、上司や人事担当者に相談してみましょう。

守秘義務と情報管理に注意する

キャリアコンサルタントには、「守秘義務」が課せられています。キャリア相談では、相談者のプライベートな悩み、現在の年収、家庭環境、職場の機密情報など、極めてセンシティブな情報を扱うことになります。

副業であっても、相談者の許可なく情報を第三者に漏らすことは絶対に許されません。また、情報管理の徹底も大切です。オンライン面談を行う際は、背後に家族や他人が入り込まない個室環境を確保し、相談内容が漏れるようなことは避けなければなりません。

相談記録や個人データが保存されたパソコンのセキュリティ対策、パスワード管理なども、徹底して注意しましょう。

本業とのバランスを考えて進める

キャリアコンサルタントの仕事は、面談の1時間だけが業務ではありません。面談前の事前準備や、終了後の記録作成、必要に応じた資料提供など、付随する作業時間が意外と多く発生するのです。

特に精神的なエネルギーを使う対人支援職であるため、自身の心身のコンディショニングも仕事の一部と捉える必要があります。長期的に活動し続けるためには、自分のキャパシティを正確に把握し、無理のないスケジュール管理を行うことが大切です。

副業収入が一定額を超えると確定申告が必要になる

キャリアコンサルタントの副業で得た収入は、「事業所得」や「雑所得」として扱われます。会社員としての給与以外に、所得が年間で20万円を超える場合には、原則として確定申告を行う義務が生じます。

「少しだけだから大丈夫だろう」と申告を怠ると、後から税務署から指摘を受け、追徴課税や延滞税といったペナルティを課されるリスクがあるので注意しましょう。

キャリアコンサルタントとして副業する際のメリット

キャリアコンサルタントの副業は、自身の専門性や市場価値を高めるうえでも多くの利点があります。

未経験から実務経験を積める

キャリアコンサルタントとして副業するメリットのひとつは、資格取得後すぐに「プロとしての実務経験」を積める場が持てることです。いきなりフリーランスとして独立したり、キャリアコンサルタントとして転職したりするのはハードルが高いと感じる人でも、副業ならリスクを抑えながら挑戦できます。

さまざまな相談者と向き合うことで、面談スキルは飛躍的に向上します。副業での経験値は、将来的に専業のキャリアコンサルタントとして独立する際の大きな自信にもなるでしょう。

収入源を増やせる

本業に依存しない収入源を確保できる点もメリットのひとつです。1件あたり数千円?1万円以上の相談料が設定されている案件もあり、稼働時間に応じて収入をコントロールしやすい特徴があります。

副業による収入は、生活費の補填だけでなく、資格更新費用や研修参加費、書籍購入などの自己投資に充てることも可能になります。結果として、専門性の向上ができ、さらなる案件獲得につながることもあるでしょう。

在宅・業務委託で柔軟に働ける

キャリアコンサルタントの副業は、在宅やオンライン対応が可能な案件が多く、時間や場所に縛られにくい点が特徴です。平日の夜や土日だけ稼働する、月に数件のみ対応するなど、本業や家庭とのバランスを取りながら無理なく続けられます。

特にオンライン面談は、移動時間が不要なため効率的に働けるだけでなく、全国の相談者とつながれる点も魅力です。業務委託契約であれば、稼働量を自分で調整できるため、ライフステージの変化にも柔軟に対応できます。

キャリアコンサルタントとして副業する際のデメリット

キャリアコンサルタントの副業には多くのメリットがある一方で、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。

時間管理が難しくなる

本業を持ちながら副業を行うため、当然ながら自由な時間は減少します。面談そのものの時間だけでなく、相談者との日程調整、事前準備、事後の記録作成、自分自身のスキルアップのための勉強時間など、想像以上に時間を費やすことになります。

全てを自分一人で管理しなければならないため、徹底したスケジュール管理と、優先順位付けの能力が求められます。「いつ、どの程度働くか」を明確に決め、休みをしっかり確保するように気を付けましょう。

仕事のプレッシャーが増えてしまう

キャリアコンサルタントの仕事は、相談者の仕事・人生・将来設計といった非常に重要なテーマを扱います。そのため、副業であっても大きな責任が伴い、精神的なプレッシャーを感じやすい仕事です。

副業とはいえ、常に傾聴姿勢を保ち、倫理綱領を意識した対応が求められるため、気持ちの切り替えやセルフケアが必要です。プレッシャーを感じやすい方は、案件数を絞る、スーパービジョンを活用するなど、無理のない働き方を意識するといいでしょう。

すぐに高収入を得るのは難しい

キャリアコンサルタントの副業は、始めた直後から安定した収入を得られるとは限りません。特に未経験者の場合、最初は単価の低い案件やスポット業務が中心となり、「思ったより稼げない」と感じるケースもあります。

また、業務委託案件は常に募集があるわけではなく、相談件数も時期によってばらつきが出やすい傾向があります。そのため、副業収入を生活の本軸にしてしまうと、精神的な不安につながる可能性があります。

長期的な視点を持ち、自分のキャリアを育てていくつもりで取り組んでいきましょう。

キャリアコンサルタント副業の求人・案件の探し方

資格を取った後、具体的にどうやって仕事を探せばよいのでしょうか。ここでは、5つのルートを紹介します。

求人サイトを活用する

最も一般的な方法は、大手の求人サイトや人材紹介サイトでの検索です。「キャリアコンサルタント」「副業」「業務委託」「未経験可」などのキーワードで検索すると、スポットの面談業務や、就職支援の求人が見つかります。

求人サイトのメリットは、報酬条件や業務範囲が明確に記載されている点です。初心者でも、自分の条件に合った案件を比較検討しやすいでしょう。

キャリアコンサルタントのマッチングサービスを活用する

キャリアコンサルタントと相談者をダイレクトに繋ぐマッチングサービスの活用もおすすめです。たとえば、「キャリコンサーチ」「Kakedas(カケダス)」「キャリアコンサルタントクエスト」などがあります。

マッチングサービスに自分のプロフィールや得意分野を登録しておけば、相談者から指名を受けたり、プラットフォーム側から案件の紹介を受けることも可能です。集客の手間を省けるため、まずは登録して、どのようなニーズがあるのかを把握することから始めてみましょう。

クラウドソーシングサービスを活用する

ランサーズ、クラウドワークス、ココナラなどのクラウドソーシングサービスも、キャリアコンサルタントの副業先として活用できます。これらのサービスでは、キャリア相談、職務経歴書の添削、自己分析サポートなど、比較的スポット性の高い業務が募集されていることがあります。

また、ココナラなどのスキルマッチングサービスは自分で内容や価格を自由に設定できます。自由度が高い反面、プロフィール作成や集客の工夫が重要になりますが、副業の入り口として活用してみましょう。

自分で情報発信や集客をする

自分自身で情報発信を行い、集客につなげる方法もあります。X(旧Twitter)やInstagram、note、ブログ、LinkedIn、YouTubeなどを通じて、キャリアに関する知見や支援事例、自身の考え方を発信し、見た人から直接相談依頼を受ける形です。

即効性は低いものの、得意分野や支援スタイルを明確に打ち出せる点が強みです。たとえば「20代の転職支援に強い」「育児と仕事の両立支援が得意」など、テーマを絞ることで差別化が可能になります。

副業初期には案件獲得まで時間がかかることが多いため、他の手段と並行して取り組むのがおすすめです。

人脈・紹介から案件を得る

キャリアコンサルタントの世界では、横のつながりも大切です。有資格者の団体に所属したり、キャリアコンサルタント養成講座の同期生と交流を続けたりすることで、案件の紹介を受けることがあります。

「今、こういう案件があるけれど、誰か対応できる人はいないか?」といった募集がコミュニティ内で行われることもあるため、積極的にネットワークを広げておきましょう。

土日・週1から始められるキャリアコンサルタントの副業はある?

キャリアコンサルタントの副業では、「平日は本業で忙しい」「まずは無理のないペースで始めたい」という方も多いのではないでしょうか。

ここでは、土日・週1から始められるキャリアコンサルタントの副業について、代表的な働き方を紹介します。

土日・単発で対応できる副業案件

キャリアコンサルタントの副業には、土日限定・単発で対応できる案件が一定数存在します

たとえば、大規模な就職フェアや転職イベントでの「キャリア相談コーナー」の相談員、特定の期間だけ開催される自治体の就労支援プログラム、あるいは企業での休日研修のサポートなどです。

まずはこうした単発案件で場数を踏み、相談対応の感覚を養うのが良いでしょう。

在宅・業務委託なら週1でも始めやすい

オンライン面談を中心とした在宅・業務委託の副業は、週1回程度の稼働でも始めやすい働き方です。キャリア相談サービスやマッチングプラットフォームでは、業務委託契約でキャリアコンサルタントを募集しているケースが多く、稼働日数や時間帯をある程度自分で調整できます。

たとえば「平日の夜に2時間だけ対応する」「土曜日の午前中に数件面談を入れる」といった形でも問題なく、本業との両立がしやすいのが特徴です。移動時間が不要なため、限られた時間を効率的に使える点もメリットといえます。

まとめ

キャリアコンサルタントは、国家資格という信頼性を活かし、副業としても取り組める専門職です。収入はすぐに大きくならなくても、経験を積み重ねることで将来のキャリアの選択肢を確実に広げてくれます。

「本業以外でも専門性を活かしたい」「将来の可能性を広げたい」と考えている方は、まず資格取得から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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