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【キャリアコンサルタント】技能検定2級とは?合格率や試験概要、勉強方法を解説

【キャリアコンサルタント】技能検定2級とは?合格率や試験概要、勉強方法を解説

更新日: 2025/12/16

はじめに

キャリアコンサルティングの知識と技能を評価する「キャリアコンサルティング技能検定」。すでに国家資格キャリアコンサルタントを取得した方や、実務での経験を積んだ方が目指す検定です。しかし、合格率が低く、難易度が高いのが特徴です。

今回は合格率や試験概要をご説明するとともに、勉強方法についてもご紹介しますので、受検を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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キャリアコンサルティング技能検定とは?

どんな技能検定?

キャリアコンサルティングに必要な知識と技能を評価する国家検定です。学科試験と実技(論述及び面接)試験の両方に合格すると、「キャリアコンサルティング技能士」の称号を取得できます。

尚、等級は、1級キャリアコンサルティング技能士と2級キャリアコンサルティング技能士の2種類があります。国家資格キャリアコンサルタントの上位に位置する検定で、より高度な知識やスキルが求められます。検定の実施団体はキャリアコンサルティング協議会です。

1級と2級の違いは?

等級ごとに求められるレベルが異なります。2級、1級の順に高度なスキルが必要です。

2級キャリアコンサルティング技能士(熟練レベル)

個人からの相談に対して、1対1の相談支援が的確にできるレベルが求められます。実務では次のような役割が期待されます。

  • 数多くの実践経験があり、在職者や求職者、学生・生徒も含めた幅広い相談者に対して「厚みと広がり」を持って支援ができる。
  • 難しい課題を抱える相談者に対しても熟達度の高い対応ができる。

1級キャリアコンサルティング技能士(指導レベル)

個人からの相談について、2級より高いレベルで的確に対応できることはもちろん、組織への働きかけや関係者との連携などのコーディネート能力も求められます。さらに、キャリアコンサルタントからの相談に対しても指導・アドバイスができる力も必要です。実務では次のような役割が期待されます。

  • 1つ以上の専門領域を持っている。さらに、それ以外の領域も一定程度以上の支援が可能。
  • 指導者としての基本的な力や領域間のコーディネート機能を併せ持っている。
  • 複合的・困難な課題を抱える相談者への対応と、その好事例を発表できる。

技能検定2級はどんな内容?

2級試験は年に2回(前期・後期)に実施されます。学科試験と実技(論述及び面接)試験は、それぞれ個別での受検が可能です。試験の概要については以下の通りです。

受検資格

検定を受けるには次のいずれかの条件を満たす必要があります。

1 5年以上の実務経験がある。
2 4年以上の実務経験があり、大学で必要な科目を修得し、卒業している。
3 4年以上の実務経験があり、キャリアコンサルタント試験の受験要件を満たすものとして、厚生労働大臣認定の講習(または同等以上の講習)を修了している。
4 3年以上の実務経験があり、大学院で必要な科目を修得し、修了している。
5 3年以上の実務経験があり、キャリアコンサルタント試験に合格している、またはキャリアコンサルタントである。

実務経験とは、労働者のキャリアに関する自発的な相談を直接受けた経験を指します。自発的な相談という観点から、人事考課面談や採用面談などは当てはまりません。また、相談業務という観点から、一方的な情報提供(職場紹介のみ、セミナーの講師など)、ヒアリングのみ、コーチングなども当てはまりません。

尚、どこに所属していたか、ということは問われないためハローワークなどで働いたことがなくても問題ありません。

試験形式

学科試験

出題形式 筆記試験(四肢択一のマークシート方式) 50問
試験時間 100分
合格基準 100点満点中70点以上の得点

実技試験

論述 出題形式 記述式 1ケース
試験時間 60分
面接 出題形式 ●ロールプレイ
(受検者はキャリアコンサルタント役として相談を行う。ケース内容及び試験実施の概要は、受検票に記載。)
●口頭試問
(自らの相談に関する質疑応答)
試験時間 ロールプレイ:20分
口頭試問:7分
合格基準 論述:100点満点中60点以上の得点
面接:100点満点中60点以上の得点
※評価区分ごとに満点の60%以上の得点が必要。
論述:100点満点中60点以上の得点
面接:100点満点中60点以上の得点
※評価区分ごとに満点の60%以上の得点が必要。

受検料

学科試験 11,200円(非課税)
実技試験 29,900円(非課税)

試験免除制度

学科試験もしくは実技試験のみ合格した方は、一部合格者として「一部合格証書」が発行されます。その場合は、一定期間、一部合格した試験が免除されます。期間内にもう一方の試験に合格すれば、免除された試験と合わせ、技能士の称号が取得可能です。

尚、免除制度の有効期限は、合格した試験実施日の翌々年度末までです。例えば、2025年12月の学科試験に合格した場合は、2028年3月31日まで学科試験が免除されます。

技能検定2級の合格率は?

過去の試験結果・合格率

過去3回分の試験結果をご紹介します。

第32回試験結果

受検者(人) 合格者(人) 合格率(%)
学科試験 895 501 56.0
実技試験 1,722 299 17.4

第33回試験結果

受検者(人) 合格者(人) 合格率(%)
学科試験 1,079 632 58.6
実技試験 1,976 361 18.3

第34回試験結果

受検者(人) 合格者(人) 合格率(%)
学科試験 1,120 751 67.1
実技試験 1,814 407 22.4

学科試験の合格率は60パーセント前後、実技試験は20パーセントで推移しています。また、学科試験、実技試験の両方に合格した人数は以下の通りです。

第32回試験 第33回試験 第34回試験
合格者/受検者数(人) 250/2,617 337/3,055 383/2,934

両方の試験に合格する人数は、決して多くはありません。一発合格を目指す場合は、入念な準備が必要です。

難易度

過去の試験結果から、技能検定2級の難易度は高いと言えます。学科試験だけを見ると、合格率60パーセント前後と、やや難関レベルですが、実技試験は合格率が20パーセントを切ることもあり、難関レベルです。

また、受検者の実務経験年数は平均7年以上と、ベテランの方が試験に臨んでいます。それでも実技試験の合格率が低いということからも、試験で求められるレベルの高さがうかがえます。これまでの経験だけではなく、試験対策をしっかり行うことが必要です。

勉強方法

実務経験を積んでいる方でも、油断せずに試験対策を行うことが重要です。勉強方法について簡単にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

過去問

試験の形式に慣れるためにも過去問に取り組むことは大切です。技能検定の実施団体であるキャリアコンサルティング協議会のホームページでは、過去3回分の問題が公開されています。誰でも無料で見ることができるため、必ずチェックしましょう。

そして、前期の試験については、採点官や面接試験官から見た受検者の傾向について公開されています。良かった点や改善が必要な点がまとめられているため、自分自身の課題を把握する際に参考になります。

尚、無料で公開されている過去問は、実技試験の模範解答が公開されていません。キャリアコンサルティング協議会から発売している過去問題解説本やその他一般書籍などと併用して過去問に取り組んでみることをおすすめします。

間違った問題の解答や解説をしっかりと読み込むことで、苦手克服につながります。過去問を繰り返し解いて理解を深めましょう。

国家資格更新講習

国家資格キャリアコンサルタントを取得している方は、5年ごとの更新の際に講習を受けることになっています。そして、厚生労働大臣が指定する講習の内容は、技能検定2級の出題範囲と重なるところがあります。例えば、技能検定2級の学科試験の範囲は次のようになっています。

技能検定2級の学科試験出題範囲 [★は国家資格更新講習(知識講習)の内容]

T キャリアコンサルティングの社会的意義 1 社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解
T キャリアコンサルティングの社会的意義 2 キャリアコンサルティングの役割の理解
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 1 キャリアに関する理論
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 2 カウンセリングに関する理論
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 3 職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 4 企業におけるキャリア形成支援の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 5 労働市場の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 6 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 7 学校教育制度及びキャリア教育の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 8 メンタルヘルスの知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 9 中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 10 人生の転機の知識
U キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 11 個人の多様な特性の知識

検定の出題範囲を学習できるため、更新予定がある方は、受検勉強のタイミングと合わせて講習の受講を検討してみてはいかがでしょうか。

対策講座

技能検定2級は独学でも挑戦できますが、難易度が高く不安な方もいると思います。そのような方には、養成機関などが行っている検定対策講座がおすすめです。

プロの講師による指導を受けることで、重要ポイントや独学では気づかない苦手箇所などもしっかりとおさえることが可能です。学科試験に特化した講座や、実技試験に重点を置いた講座、両試験をカバーするセット講座などさまざまなスタイルがあるため、目的に合わせて学習をすることができます。

特に実技試験は、プロの視点からのフィードバックや実践演習の機会があると、より苦手克服につながります。また、働きながら受検勉強をするとなると、限られた時間で学習をしなければなりません。効率よく学習を進めたい方もぜひ受講を検討してみてください。

まとめ

キャリアコンサルティング技能検定は難易度が高い国家検定です。ただ、一部合格者には合格した方の試験が免除されるという措置があります。まずは学科試験・実技試験のどちらかの合格を目指すことが検定取得の第一歩となるでしょう。

受検を考えている方は、まずは過去問を解いてみてどんな試験なのかチェックしてみてはいかがでしょうか。学習が不安な方は、ぜひ対策講座などの活用を検討してみてください。

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