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経営コンサルタント資格は本当に必要?転職・独立に有利な資格7選

経営コンサルタント資格は本当に必要?転職・独立に有利な資格7選

更新日: 2025/12/19

はじめに

未経験から経営コンサルタントへ。法的に資格は不要ですが、独立・転職を成功させるには「中小企業診断士」が有利です。実務で役立つ推奨資格7選と、年収アップにつながる活用法を徹底解説。あなたのキャリア戦略が定まります。

経営コンサルタントに憧れるけど、今の自分には武器がない…」

30代・40代でキャリアの転機を迎えたとき、実績がない状態で挑むのは勇気がいるものです。

結論から言えば、コンサルタントに法的な必須資格はありません。しかし、未経験者がプロとして信頼を勝ち取るために、資格はこれ以上ない「強力なパスポート」になります。

この記事では、王道の「中小企業診断士」から、特定分野に強い専門資格まで、あなたの目指すキャリア(転職・独立)に直結する資格を厳選して紹介します。

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経営コンサルタントは未経験でも資格取得でキャリアを始められる

経営コンサルタントには、医師や弁護士のような法的に定められた資格や免許がありません。

そのため、実務経験がなくても誰でも名乗れます。

しかし、誰でも名乗れるからこそ、クライアントにとって「この人は本当に信頼できるのか」を判断するのが難しいです。

特に未経験者の場合は、実績や人脈が乏しいため、自分の専門性や知識を客観的に証明する手段が求められます。

このときに有効なのが資格の取得です。資格は経営に関する体系的な知識を習得した証明となり、未経験者でもクライアントや採用企業から一定の信頼を得られます。

経営コンサルタントの資格が役立つ主な2つの場面

経営コンサルタントの資格は、単に知識を証明するものではありません。キャリアの転機において、具体的な成果を生む実践的な武器となります。

ここでは、資格が特に力を発揮する2つの場面について解説します。

転職時の強力なアピール材料になる

コンサルティング業界への転職では、職務経歴書や面接での差別化が大切です。

特に異業種からの転職や実務経験が浅い場合は、資格が自分の専門性を客観的に示さなくてはいけません。

中小企業診断士やMBAなどの資格は、採用担当者に対して「経営に関する体系的な知識を持っている」と「自己投資を惜しまない学習意欲がある」という2つのメッセージを同時に伝えられます。

実際、大手コンサルティングファームや総合系ファームの求人要件では、資格保有者を優遇する記載が見られます。

転職市場では、資格があなたの市場価値を高め、選考を有利に進めるための実践的な武器になるでしょう。

独立後の信頼獲得・集客につながる

独立開業した経営コンサルタントにとって、最初の課題は「どのようにクライアントを獲得するか」です。実績や人脈が限られる開業初期は、資格が信頼を得るための確実な手段の1つになります。

中小企業診断士や税理士などの国家資格を保有していると、名刺やWebサイトに明記でき、初対面のクライアントにも安心感を与えられます。

特に中小企業の経営者は、専門家を選ぶ際に公的な資格の有無を重視する傾向です。

独立後の経営を安定させるには、信頼の積み重ねが欠かせません。資格は、その第一歩となる初期信頼を獲得するための大切な土台になります。

経営コンサルタントを目指すなら中小企業診断士が王道

経営コンサルタントに関連する資格は数多くありますが、そのなかでも中小企業診断士は王道と位置づけられています。

なぜこの資格が選ばれ続けるのか、その理由を解説します。

日本で唯一の経営コンサル系国家資格

中小企業診断士は、経営コンサルティング能力を認定する日本で唯一の国家資格です。

  • 公認会計士は監査
  • 税理士は税務代理
  • 社会保険労務士は労働・社会保険手続き

これらの独占業務を持ちますが、中小企業診断士には独占業務がありません。それでも高く評価されているのは、経営全般を幅広く扱う試験内容に理由があります。

  • 経済学
  • 財務会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営と政策

試験科目は上記の7科目で構成され、企業経営に必要な知識を体系的に学べる設計になっています。

難易度と働きながら合格するための必要勉強時間

中小企業診断士試験は、直近数年の実績で見ると一次試験の合格率がおおむね20%台後半前後、二次試験(筆記・口述)の合格率が約18%台で推移しており、決して簡単な試験ではありません。

一次試験と二次試験の両方を突破した最終的な合格率は約5%前後とされ、国家資格のなかでも難関に位置づけられています。

  • 一次試験(マークシート式)
  • 二次試験(記述式・口述試験)

試験は2段階で構成されています。

一次試験では7科目すべてで基準点を満たす必要があり、科目合格制度を活用しても2~3年かかるケースがほとんどです。

二次試験では、実際の企業事例をもとに経営課題を分析し、解決策を論述する実践的な能力が求められます。

中小企業診断士試験の合格に必要な勉強時間の目安は、一般に1,000~1,200時間程度とされています。?

働きながら合格を目指す場合、例えば平日に通勤時間や昼休みを活用して1日2~3時間、休日に4~5時間程度を確保し、1年半から2年ほど継続して学習するケースが一般的です。?

ただし、必要な学習時間や期間は、受験生のバックグラウンドや学習方法によって大きく異なるため、自身の状況に合わせて無理のないスケジュールを立てることが大切です。

【目的別】キャリアに合わせて選ぶおすすめコンサル資格7選

経営コンサルタントに関連する資格は多岐にわたります。自分のキャリア目標や専門領域に応じて最適な資格を選ぶことが、効率的なスキルアップの鍵となります。

1.MBA(経営学修士):大手ファームへの転職に有利

MBAは資格ではなく、経営学の大学院を修了することで得られる学位です。

  • 経営戦略
  • マーケティング
  • 会計
  • 組織論など

経営全般を体系的かつ実践的に学んだ証明になります。

特に外資系コンサルティングファームや戦略系ファームでは、MBA保有者を高く評価する傾向です。

費用の相場は、以下のとおりです。

  • 国内MBAが100万~400万円程度
  • 海外MBAは約800万~2,000万円程

学習期間は、フルタイムのMBAでは国内外ともに1~2年です。国内の社会人向けパートタイムMBAは2年制が標準ですが、1年半で修了できるプログラムもあります

日本国内では、平日夜間や土曜日を中心に講義を行う夜間・週末型のパートタイムMBAが多数開講されており、仕事を続けながら通学できる環境が整えられています。

2.TOEIC/USCPA(米国公認会計士):英語力×会計知識でグローバル案件に強い

グローバル展開する企業や外資系ファームでのコンサルティング業務では、英語力と会計知識の両方が不可欠です。TOEICとUSCPA(米国公認会計士)は、この2つを証明する代表的な資格です。

TOEICはビジネス英語の運用能力を測る試験で、外資系ファームでは800点以上を採用基準とするケースが多く見られます

900点以上であれば、英語での資料作成やクライアントとの直接コミュニケーションに十分対応できる人材として評価されることが一般的です。

一方、USCPAは米国の公認会計士資格であり、米国会計基準(US GAAP)に基づく会計・監査知識を証明する国際的に認知された資格です。

試験は英語で実施され、IFRS(国際会計基準)にも一定の範囲で触れますが、資格の主軸はUS GAAPにあります。

合格までの学習時間は、受験者のバックグラウンドによって変動しますが、一般的には1,000~1,500時間程度が必要とされています。

3.税理士・公認会計士:財務・再生コンサルで必須の専門性

税理士と公認会計士は、財務・会計領域における最高峰の国家資格であり、財務コンサルティングや事業再生支援で高い専門性を発揮します。

公認会計士は監査を独占業務とし、財務諸表の信頼性を証明する役割を担います。試験合格率は約10%と難関です。

しかし、取得すると以下の高度なファイナンス領域で活躍できます。

  • M&Aアドバイザリー
  • 企業再生
  • IPO支援
  • 財務デューデリジェンスなど

特に大手監査法人系のコンサルティング部門では、公認会計士資格を事実上の必須要件としているポジションも多く見られます。

4.社会保険労務士:人事・労務・組織改革のコンサルに特化

社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険諸法令に基づく申請・届出などの事務代理・事務代行や帳簿作成等を主な独占業務とする国家資格です。

社労士の業務範囲は、給与計算や社会保険手続きといった定型業務にとどまらず、組織の根幹にかかわるテーマまで広がっています。

  • 人事制度設計
  • 賃金体系の見直し
  • 働き方改革の推進
  • ハラスメント対策
  • 労使紛争の予防など

特に近年は、テレワーク制度の導入支援や同一労働同一賃金への対応など、度重なる法改正にともなう企業ニーズが高まり、活躍の場が一層広がっています。

試験の合格率は年度により変動しますが、おおむね5~7%前後と高難易度です。

必要な学習時間は受験生の経験により幅がありますが、一般に800~1,000時間以上が目安 とされます。

働きながら学習する場合、計画的に進めれば 1~2年程度をかけて合格を目指す受験生が多い とされています。

5.ITストラテジスト:IT×経営の橋渡しを担う高度資格

ITストラテジストは、情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験のうち、高度情報処理技術者試験(レベル4)に分類される国家資格です。

ITを活用した経営戦略や事業戦略の立案に関する高度な知識とスキルを有していることを示す資格で、ITと経営の橋渡し役となる人材に必要な能力を問います。

近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が多くの企業にとって重要課題となり、IT戦略と経営戦略を統合できる人材の需要が高まっています。

試験の合格率はおおむね14~16%で推移しており、高度情報処理技術者試験のなかでも難易度の高い区分です。

6.日商簿記2級以上:企業のお金の動きを読み解く基礎力

日商簿記検定は、企業活動に不可欠な会計知識を体系的に身につけていることを示す代表的な資格です。

なかでも2級以上を取得していれば、財務諸表の基本構造を理解し、企業の数値を読み解くための基礎的な知識を有していることを示せます。

簿記2級では、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表の仕組みを理解し、企業の財政状態や経営成績を正確に把握できます。

さらに、2級から範囲となる工業簿記(原価計算)の知識は、製品のコスト構造を理解するうえで不可欠です。

学習時間は、一般的に350~500時間程度(3級知識がある場合は+250時間~)とされており、相応の学習量は必要ですが、独学でも4~6か月で十分に合格を目指せます。

7.FP(ファイナンシャルプランナー):個人事業主・経営者の相談支援に役立つ

FP(ファイナンシャルプランニング技能士)は、資産運用や税金、保険など、お金に関する幅広い知識を証明する国家資格です。特に中小企業の経営者や個人事業主に対するコンサルティングで強みを発揮します。

FP資格には3級から1級まであり、2級以上が実務レベルとされています。

  • ライフプランニング
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続

これらの6分野で構成されており、個人と企業の両面から資金計画を支援できる知識が身につきます。

中小企業の経営者にとっては、個人資産と事業資金の境界が曖昧になりやすい傾向があります。

FP資格を持つコンサルタントは、経営者個人の資産形成や事業承継対策まで含めた総合的な提案ができるため、信頼関係を築きやすく、長期的な顧問契約にもつながりやすい点が特徴です。

最短で経営コンサルタントになるためのステップ

経営コンサルタントを目指す際、遠回りせず効率的にキャリアを構築するには、明確なステップを踏むことが重要です。

ステップ 目的・ポイント 具体的な行動
中小企業診断士の学習開始 経営知識の習得をスタートし、資格取得を目指す ・学習期間1~2年
・予備校
・通信講座を活用し計画的に進める
実務経験の準備(学習と並行) 経営の現場感を養う ・経営企画
・事業開発などへの異動希望
・副業で市場調査や事業計画作成など小規模案件に挑戦
資格取得後すぐに実務へ 実績づくりを最優先する ・コンサル会社へ転職活動
・独立する場合は商工会議所や自治体の専門家登録で初期案件を獲得
人脈構築(常時) 案件獲得と信用構築につなげる ・診断士研究会
・勉強会に参加
・セミナー講師やSNS発信で認知度を高める

最短ルートとは単に時間を短縮することではなく、学習、実務、人脈の3つを同時並行で進めることです。

計画的に取り組めば、2~3年以内にコンサルタントとして本格的に活動できる土台を築けます。

資格取得後に年収アップと実務につなげるためのポイント

資格を取得しただけでは、年収アップや安定した案件獲得にはつながりません。知識を実務に転換し、継続的に成果を出すための具体的な戦略が必要です。

資格で得た知識を現場の課題解決にどう活かすか

資格取得によって得られる知識は、あくまで理論やフレームワークです。これを実務で活用するには、クライアント企業の現場に合わせて翻訳する力が求められます。

大切なのは、クライアントの課題を正確に把握することです。中小企業診断士で学ぶSWOT分析やPESTLE分析といったフレームワークを、そのまま提案書に並べても評価にはつながりません。

クライアントの業種や規模、経営者の価値観を踏まえたうえで、「この企業にとって今重要な課題は何か」を見極め、優先順位をつけて提案する姿勢が必要です。

継続的な実績づくりで信頼と単価を高める

経営コンサルタントとして年収を高めるには、単発の案件をこなすだけでなく、継続的に実績を積み上げて信頼を獲得し、単価を段階的に引き上げる戦略が必要です。

まず、初期段階では低単価であっても多様な案件を引き受け、実績の数と幅を広げることが大切です。

  • 業種(製造、小売、サービスなど)
  • テーマ(マーケティング、財務、人事など)

これらを問わず経験を積むことで、自分の強みや得意領域が明確になり、専門性を確立する土台ができます。

まとめ:まずは「中小企業診断士」の学習内容からチェックしよう

経営コンサルタントを目指すには、資格取得が最も確実で効率的なスタート地点になります。特に中小企業診断士は、日本で唯一の経営コンサル系国家資格です。経営全般の知識を体系的に習得できる点から、すべてのコンサルタント志望者に推奨されます。

資格を取得しただけでは十分ではなく、学んだ知識を実務に活かして現場で成果を出す力が求められます。

キャリアの目的に応じて、MBAやUSCPA、税理士などの専門資格を追加することで、より高度で高単価な案件に対応できる専門性を構築していきましょう。

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